このような場合、基本的に事業主に損害賠償請求をすることができます。
会社の従業員の不注意によって別の従業員(被害者)に怪我をさせた場合、使用者が「使用者責任」(民法715条)に基づいて、被害者に対して賠償責任を負うこととなります。
そのため、この場合は法的根拠に基づいて損害賠償を請求することになりますので、比較的、会社も話し合いの段階から責任を認めることが多いです。
また、労災保険の給付も基本的に受けられます。
このような場合、手続きが複雑になることが考えられますので、まずは弁護士にご相談いただき、どのような請求が可能かをご検討ください。
具体的な事例
とある被災者の方は、コンテナで荷物を運ぶ作業をしていました。
被災者の方と一緒に作業をしていた作業員が誤って荷物を被災者の方がいる方向に上から落としてしまい、これが頭部に直撃し、頸椎捻挫(いわゆる「むちうち」)を負いました。
このケースでも、使用者責任を根拠に、会社に対して損害賠償義務があること自体は比較的明白でした。
弁護士が介入後、労働局から取り寄せた労災資料を分析して、裁判基準に基づいて損害額を計算して、会社に対して損害賠償請求を行った結果、会社との間で、約800万円で裁判上の和解が成立しました。