A.労災保険の給付請求は可能です。会社への損害賠償請求も十分に可能性があります。
・労災に遭ってしまったが、自分にも事故の原因となるミスや行動があった
・自分の責任で労災が起き、ケガをした場合でも、会社に慰謝料を請求できる?
労働災害が起きたきっかけが自分のミスであった場合でも、労災保険の給付金は満額支給されます。
また、会社に対して損害賠償請求(慰謝料請求)を行える可能性もあります。
群馬県高崎市の弁護士が解説します。
労災保険は自分に責任があっても受給できる
労災保険は労働者の保護を目的とした制度であるため、被災者(労災事故に遭った人)に事故の責任があっても満額支給されます。
ただし、次のような場合には給付が行われないケースもあるとされています。
- 労働者が故意に負傷、疾病、障害、死亡またはその直接の原因となった事故を生じさせた時
上記の通り、故意(わざと)事故を起こす原因を作った場合などは例外的に支給されないケースもありますが、そのようなケースでなければ原則的には自分に責任があっても労災保険は満額受給できます。
自分に過失がある場合の会社に対する損害賠償請求
労災事故の発生責任が会社にもある場合、会社に責任が発生しますので、損害賠償請求する事が可能です。
ただし、被災者の過失(ミス)が原因で労災事故が起こった場合は金額を減らされる可能性があります。
双方に過失がある場合に生じた損害については、双方が公平に分担すべきという法律の考えのもと、「過失相殺」されるからです。
例えば、全体を10として、会社が8割、被災者が2割の過失があるとすれば、2割分の賠償額が減額されるということです。
大きすぎる減額を主張されたら、弁護士に相談を
「労働基準法」においては、労働災害が発生した場合に、怪我などの原因となった使用者(=雇用主・会社経営者等)がその損失を補償するよう、「安全配慮義務」が設けられています。
安全配慮義務違反については、「具体的に何をどうしたら違反になるのか」という内容が不明確で、会社もそれを認識していないことが多いのです。
また、被災者にも一定の過失があることが多いため、会社としては「こんな事故は今まで起きたことがなく、被災者の過失によって生じた事故であり、会社には責任がない」と考えてしまうケースが多いのが現実です。
被災者の過失が少ないのに、会社から大きすぎる減額を主張された場合などには、専門家に相談して適切な金額を請求するべきケースもあります。
まずは弁護士にご相談いただき、どのような請求が可能か検討していただければと思います。