仕事中に肩を怪我した場合の等級・後遺障害は?弁護士が解説

仕事中に肩を怪我した場合の等級・後遺障害は?弁護士が解説

はじめに

建築現場

建設現場での転落、工場での機械へのはさまれ、倉庫での重量物の運搬、店舗内での転倒——業務中の事故で肩を負傷するケースは決して珍しくありません。肩は腕を大きく動かすための関節であり、いったん損傷すると、腕を上げる・後ろに回すといった何気ない動作にも支障が生じ、仕事にも日常生活にも大きな影響が及びます。

労災事故で多い肩のケガとしては、腱板損傷(回旋筋腱板断裂)、肩関節の脱臼・反復性脱臼、上腕骨近位端骨折、鎖骨骨折、肩鎖関節脱臼などが挙げられます。これらは手術やリハビリを尽くしても、可動域の制限や痛み・しびれが残ってしまうことがあります。

治療を続けてもこれ以上の回復が見込めない状態(症状固定)に至った場合、残った症状の程度に応じて、労災保険から障害(補償)給付を受け取ることができます。ただし、認定される等級によって受け取れる金額は大きく変わります。だからこそ、症状に見合った等級を獲得することが何よりも重要です。

肩の障害等級について

肩を抑えてる男性の後ろ姿

肩関節は、肘関節・手関節と並ぶ「上肢の3大関節」の一つです。肩に残った症状は、大きく分けて①機能障害(可動域の制限)、②神経障害(痛み・しびれ)、③変形障害の3つの観点から評価されます。

① 機能障害(可動域制限)

健康な側の肩と比較して、負傷した側の可動域がどの程度制限されているかによって判断されます。

  • 第8級6号:1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの(関節が強直している、または可動域が健康な側の10%程度以下に制限されているもの)
  • 第10級10号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(可動域が健康な側の2分の1以下)
  • 第12級6号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(可動域が健康な側の4分の3以下)

② 神経障害(痛み・しびれ)

  • 第12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの(画像所見などによって症状の原因が他覚的に証明できる場合)
  • 第14級9号:局部に神経症状を残すもの(他覚的な証明までは難しいものの、症状の存在が医学的に説明できる場合)

③ 変形障害

  • 第7級9号:1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  • 第8級8号:1上肢に偽関節を残すもの
  • 第12級5号:鎖骨、肩甲骨などに著しい変形を残すもの

なお、第1級から第7級までは障害(補償)年金、第8級から第14級までは障害(補償)一時金として支給され、これとは別に障害特別支給金なども支払われます。

また、交通事故の場面でよく耳にする「後遺障害等級」は自賠責保険における呼称で、労災保険では「障害等級」と呼びます。認定の基準は共通する部分が多いものの、審査を行う機関が異なるため、通勤中の交通事故など両方の制度が関わる場面では給付の調整が必要になります。

【参考】適切な後遺障害等級を認定してもらうために

肩の怪我を弁護士に相談するメリット

弁護士に相談している男性の手元

可動域の測定に潜む落とし穴に対応できます。 可動域の測定は、原則として他動運動(検者が動かしたときの角度)で行われ、その制限を裏づける器質的な損傷が画像などから確認できることが前提になります。測定のタイミングや記載の仕方が不十分だと、実際の症状より低い等級にとどまってしまうことがあります。

業務起因性の争いに備えられます。 特に腱板損傷は「加齢による変性ではないか」と指摘されやすい傷病です。事故の態様、受傷直後の症状の経過、画像所見などを整理し、業務との因果関係を的確に主張する必要があります。

認定結果に納得できない場合の不服申立てが可能です。 労働基準監督署長の決定に不服がある場合、労働者災害補償保険審査官への審査請求、さらに労働保険審査会への再審査請求という手続があります。期限が定められているため、早期のご相談が重要です。

労災保険だけでは補償されない部分を請求できます。 労災保険から慰謝料は支払われません。事故の背景に会社の安全配慮義務違反がある場合には、会社に対して慰謝料や逸失利益の差額などを請求できる可能性があります。

会社とのやりとりを任せられます。 「在職中に会社と争いたくない」というご不安はよく伺います。弁護士が窓口となることで、直接対峙せずに手続を進めることができます。

【参考】労働災害を弁護士に相談すべき3つの理由

山本総合法律事務所ができるサポート内容

ハートのおもちゃを手のひらに乗せている様子

当事務所では、肩の労災事故について次のようなサポートを行っています。

  • 障害(補償)給付支給請求書の作成サポート、添付資料の確認
  • 診断書・後遺障害診断に関する記載内容のチェックと、主治医への照会・意見書の取得
  • 労働基準監督署の面談への対応に関する助言
  • 審査請求・再審査請求などの不服申立て手続
  • 会社に対する損害賠償請求(示談交渉・労働審判・訴訟)
  • 通勤災害、第三者行為災害(通勤中の交通事故など)における制度間の調整

当事務所は高崎市及び前橋市に事務所を構え、群馬県全域からご相談をお受けしています。8名の弁護士が在籍し、労災・交通事故をはじめとする人身被害の案件に継続的に取り組んでまいりました。

【参考】労働災害に関する弁護士費用

適切な障害認定等級をうけるために弁護士にご相談を

弁護士一同

肩に残った症状は、外から見て分かりにくい一方で、仕事の継続や収入に直結します。「どの等級に当てはまるのか分からない」「会社が労災の手続に協力してくれない」「認定された等級に納得できない」といったお悩みがあれば、症状固定を迎える前の段階からご相談いただくことをおすすめします。

弁護士法人山本総合法律事務所では、労災でお困りの方のご相談をお受けしています。まずはお気軽にお問い合わせください。

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