労災事故にあい、治療中の方へ

労災事故に遭い、治療中の方へ

治療が続く日々のなかで

カレンダーと包帯

事故から数週間、あるいは数か月。
入院や手術を終え、リハビリや通院を続けておられる方も多いことと思います。
被災した直後の慌ただしさが少し落ち着いてくると、今度は別の悩みが頭をもたげてきます。

「この痛みは、いつまで続くのだろうか」
「休業補償はいつまで受けられるのか」
「会社から早く戻ってこいと言われているが、まだ身体がついていかない」
——治療中の時期は、先の見えない不安と、会社や生活との折り合いをつける難しさが重なる、非常に長く感じられる期間です。

そして実は、この治療中の過ごし方こそが、最終的に受け取れる補償の内容を大きく決定づけます。
どの時点で治療を終えるのか、その時点でどのような症状が残っているのか、それが医療記録にきちんと反映されているのか。
これらはすべて、治療期間中の積み重ねによって決まるからです。

群馬県の弁護士法人山本総合法律事務所では、療養を続けながら不安を抱えておられる方からのご相談を数多くお受けしています。
本コラムでは、治療中の段階で押さえておいていただきたい点を整理してご説明します。

療養期間中に心がけていただきたいこと

通院中の様子

通院の間隔を空けすぎない

仕事や家庭の事情で通院が滞りがちになる方がいらっしゃいますが、受診の間隔が大きく空くと「症状が軽快したため通院の必要がなくなった」と評価されかねません。
医師の指示する頻度を守って通院を続けることが、治療の効果という意味でも、記録という意味でも重要です。

症状は具体的に、もれなく主治医へ伝える

診察室では、つい「まあ、少しずつ良くなってきています」と答えてしまいがちです。
しかし、しびれや可動域の制限、天候による痛みの変化、日常生活で困っている動作など、細かな症状ほど言葉にしなければ記録に残りません。
カルテに残らなかった症状は、後の段階で「なかったもの」として扱われてしまいます。
日々の状態を簡単にメモしておき、診察時に伝えるとよいでしょう。

休業に関する給付は継続して請求が必要

休業補償給付は、一度請求すれば自動的に支払われ続けるものではありません。
原則として1か月ごとなど、期間を区切って繰り返し請求手続を行う必要があります。
会社が手続に協力してくれない場合でも、ご本人による請求が可能です。

早期の復職要請や退職勧奨には慎重に対応する

「そろそろ戻れないか」「無理なら退職してはどうか」といった打診を受けることがあります。
しかし労働基準法上、業務上のけがの療養のために休業する期間とその後30日間は、原則として解雇が制限されています。
また、仮に退職したとしても、労災保険の給付を受ける権利がそれによって失われるわけではありません。
焦って結論を出す前に、一度ご相談ください。

治療費の打ち切りを一方的に受け入れない

「もう労災は使えないので健康保険に切り替えてほしい」といった説明を受けたという相談も少なくありません。
治療を継続すべきかどうかは、あくまで医学的な判断です。
納得のいかない打ち切りに応じてしまうと、その後の補償にも影響が及びます。

「症状固定」の意味を理解しておく

治療を続けてもこれ以上の改善が見込めない状態を症状固定といい、この時点で治療段階は区切りを迎えます。
ここで症状が残っていれば、後遺障害としての評価に進みます。
症状固定の時期をいつとするかは、その後の休業補償の打ち切り時期にも、後遺障害の認定内容にも直結する重要な分岐点です。

【参考】【労災】労災の後遺障害等級認定の期限

治療中の段階で弁護士に相談する意義

治療中の段階で弁護士に相談する意義

後遺障害の認定に向けた準備を先回りできます

症状固定を迎えてから慌てて動いても、必要な検査を受けていなかった、症状の推移が記録に残っていなかった、という事態は取り返しがつきません。
どの時期にどのような検査を受けておくべきか、何を記録に残すべきかを、治療中から把握しておくことに大きな意味があります。

打ち切りや復職の圧力に、一人で向き合わずに済みます

会社や関係機関とのやり取りを弁護士が引き受けることで、療養に専念できる環境が整います。
療養中の身体で交渉の矢面に立ち続けることは、回復そのものを妨げかねません。

労災保険で埋まらない損害を見据えられます

休業補償給付は給付基礎日額の6割(特別支給金を含めても8割)にとどまり、また、慰謝料は労災保険からは一切支給されません。
会社に安全配慮義務違反などの責任が認められる場合には、別途損害賠償を請求できる可能性があります。
その根拠となる資料の多くは、治療中の段階でこそ集めやすいものです。

給付の算定内容に誤りがないか確認できます

給付基礎日額の計算に手当が正しく含まれているか、支給の対象期間に漏れがないかなど、見落とされやすい点を専門的な視点で点検します。

【参考】労働災害に関する弁護士費用

山本総合法律事務所によるサポート

サポート

当事務所は群馬県高崎市と前橋市に事務所を構え、地域で働く皆さまの身近な相談先として労災事案に取り組んでまいりました。療養中の方に対しては、次のような形でお力になります。

  • 療養継続に関するご助言:通院の進め方、主治医への伝え方、記録の残し方を具体的にお伝えします
  • 保険給付の請求サポート:休業に関する給付の継続請求など、煩雑な手続をご支援します
  • 症状固定時期・後遺障害への備え:時期の見極めと、診断書の内容確認を含めて対応します
  • 損害賠償請求の検討:会社や第三者への請求可能性を精査し、必要な準備を進めます
  • 不支給・打ち切りへの不服申立て:決定に納得がいかない場合の審査請求等にも対応します
  • ご家族からのご相談:ご本人が療養中で動けない場合、ご家族からのご相談も承ります

【参考】労災事故の対処方法① 事故直後・治療中の方がすべきこと

まずはお気軽に弁護士へ

所員一同

治療が長引くほど、「このまま我慢するしかないのだろうか」という諦めの気持ちが生じてくるものです。
しかし、適正な補償を受けることは働く方に認められた正当な権利であり、その実現の可否は、療養中の段階でどれだけ備えられたかにかかっています。

弁護士法人山本総合法律事務所(群馬県高崎市・前橋市)では、労災事故に関するご相談を承っております。
まだ治療の途中で、これからどうなるか分からない段階でも構いません。
「今のうちに何をしておくべきか知りたい」というご相談こそ、私たちがもっともお役に立てる場面です。

働く皆さまが安心して治療に向き合い、その先の生活を立て直していけるよう、地域の弁護士として誠実にお支えいたします。

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